葛飾北斎の富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」。
この絵を知らない人はいないというくらい有名な一枚です。
また、「浮世絵と言えば」この作品というくらい浮世絵の代名詞といっても過言ではないでしょう。
実はこの作品、世界の多くの美術館に所蔵されているそうです。
その理由は、版画という手法で大量生産されたからです。
版画で大量生産されたことで、庶民にも手の届く美術品として愉しまれたことも有名になった一因ではないでしょうか。
海外にも影響を与えた本牧
千円札やパスポートの絵柄にもなったこの作品は、海外の芸術家にも影響を与えました。
フランスの作曲家、クロード・ドビュッシーの部屋にはこの絵が飾られ、交響詩「海」の楽譜の表紙にはこの絵が描かれていることは有名です。
欧米では「Great Wave」と題され、現在も世界中の芸術家を刺激する作品のひとつです。
作品は大きな2つの波と奥に鎮座する富士山。
波が動で、富士山が静。
動と静の対比を見事なまでに表現した作品ではないでしょうか。
もちろん、このサイトで紹介するということは、本牧ゆかりの絵だからです(諸説あり)。
この絵で気になるのが、荒波に舟をこぐ2艘の舟です。
今にも波にのまれそうな荒波を漕ぎ分ける漕ぎ手に目を奪われます。
この絵が描かれたのは1831年。
本牧の海で捕れた魚は舟で東京に運ばれ、江戸前寿司として江戸っ子の胃袋に収まったというのです。
横浜で商いするより鮮度を保ちながら命がけで東京まで運んだほうが高く売れるといった訳でしょう。
そう言われて改めて見ると、なるほどといった感じではないでしょうか。
まとめ
諸説ありますが、1800年代の本牧の様子が描かれた一枚を改めて見てみるとその裏に隠された当時の生活が垣間見れます。
葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」は、このサイトの顔になっています(この写真は使用許可を得ております)。
天保2年(1831年)葛飾北斎作 浮世絵 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏
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参考:神奈川県箱根の寄木細工「箱根丸山物産」の「木象嵌 神奈川沖」
https://www.adachi-hanga.com/ukiyo-e/items/hokusai040/
参考:アダチ版画研究所